「統合失調症」って、なに?


現実と非現実の区別があいまい(統合失調症)

普段の生活の中で、現実と非現実の区別が曖昧になることは、「寝ぼけ」や「空耳」といった体験であれば、多くの人が経験していることと思います。
本来そこにないはずのものが見えたり、聞こえないはずの声が聞こえるだけでは、病気とは言えませんが、これら状態が頻繁に起こったり、本当でない事を真実だと固く信じてしまう程であれば日常生活に何らかの支障が出てくると思われます。
「誰かに監視されている・操られている」「みんなが悪口を言っている」と思い込み、思考が混乱してしまい、「意味不明な会話をする」「落ち着きのない行動をとる」「怒りっぽくなる」といった症状が表れて初めて周囲の人が気づくこともありますが、そんな状態から逃れようと、引きこもって、人を避けようとすることもあります。

このような症状が出る病気としては「統合失調症」がその代表です。
「統合失調症」といっても、タイプによって症状が違い、陽性症状(これまで無かったものが出現する)を主とする場合は「幻覚や幻聴が頻繁に起こり、『自宅に盗聴器がしかけられている』」などのような、被害妄想的な症状が出やすくなります。
一方、陰性症状(これまであったものが無くなる)を主とする場合は、「根気や集中力が続かない」「意欲がわかない」といった症状などから、気がつくと引きこもり生活に陥っていたということも多々あります。
もう一つ、認知障害を主とした場合は、集中力、記憶力、問題解決能力などに問題が生じ、他人の話を聞いても、話の内容は理解できないという状態になることもあります。

統合失調症は、突然発症することもあれば、数週間~数年かけて発症する(気がつく)こともあります。
最初のうちは仕事の行き詰まり感に悩まされたりし、不眠などの体調不調や考えがまとまらないといった状態が続くようになり、さらに、そういう自分に嫌気が差し、自信が持てなくなり落ち込んだ気分になります。
最初は自分に向いていた感情が、次第に周囲の人たちが悪口を言ったり、馬鹿にしているような気がするなど、不調の原因を他人に求めてしまう被害妄想のような感覚に陥ることがあります。

症状は人によって異なりますが、早期発見、早期治療を行うほど回復は良好となりますので、いつもと違うという違和感があれば、早めに専門医にご相談下さい。



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